■・・・前川 實 先生の活動コーナー 八王子城の謎を語る・・・■
八王子城
☆トピックス☆
   斜面崩壊により石垣出現!! 前川實

  平成20年8月29日、八王子地方を襲った豪雨は、御主殿の南斜面を崩しその爪跡から写真の通り中世の美しい石垣を現出させました。

  図に示すとおり、この石垣頭面A(写真A)の高さは、復元されている御主殿曳き橋虎口の最西端復元境に、現状保全のため覆土されて頭だけをのぞかせている石垣頭面@の高さとやや同じ高さです。 同時に、今回の豪雨によって、御主殿への登り斜面の道の中央部に沢状の窪みが出来ましたが、その中からも石垣の頭部B(写真B)が現れ、この高さもまた@Aの石垣とやや同じ水準レベル上にあることがわかりました。

  つまり、@ABが同じレベルであるならば、この@からBまでの間の斜面土中にもこれに繋がる長大石垣が隠されている可能性が出たということになり、現在復元されている石垣と繋ぎ合わせると数十メートルにも及ぶ長大石垣となることがわかってきました。また、御主殿の滝壺に続く城山川河床上斜面にも石垣があった形跡があります。

  その後、市当局が安全確保のためにA石垣の下の崩壊土を片付けたところ、その下からもAと同程度の石垣の片鱗が現れ、にわかに新たな期待が寄せられています。これは現在は見学者の安全確保のため覆土されていますが、是非発掘調査を施し解明してほしいものです。
    
    (写真B) (写真A)
■築城の沿革
 八王子城は、小田原北條氏三代氏康の次男(三男とも)氏照によって築かれた城です。
氏照が滝川城主であった永禄12年(1569)、武田信玄との戦で手痛い敗北を喫っした氏照は、にわかに新しい城を築く事を思い立ち、青年時代に心に期していた由井西部の深沢山を中心とした山塊山麓に八王子城の縄張り(設計)を開始し、元亀二年(1571)頃築城工事に着手しました。
 天正7年頃(1579)、主郭部が一応の完成をみたのを機会に、入城、その後も当初目標の達成に努めましたが、やがて天正18年(1590)、豊臣秀吉の小田原城北條征討戦の前に八王子城の拡張計画は事業半ばにして潰え去り、後世、未完の城と呼ばれる形で終わってしまいました。
 いま、400年以上も経った城跡には、その約21年間にも及ぶ事業のあとが、数々の遺構として残されており、それが、平成18年2月『中世戦国時代の城郭遺構をよく残している城』として評価の対象となり、日本100名城のひとつに選定されました。
 もともと、氏照と北條氏が目指した構想とは、その城域において、東西約6km南北約3kmにもおよぶ広大なものであり、当然、その範囲には城下町の建設も含まれていましたが、同じように城下を総構えの中に取り込んでいる主城小田原城の形と似ていることから、おそらく八王子城は、はじめから小田原城の第二の城郭都市(主城の橋頭堡・兵站基地)としての役割を期待され建設が進められていたものに違いありません。
 つまり、現在八王子城の見学に訪れる多くの方々は、その地域のわずかな部分だけを見学しているに過ぎないのです。
 ですから、八王子城には今でも尽くせないほどの謎が秘められ、私などは、その謎の解明に追われこの30年間を過ごしてきたといっても過言ではありません。
(著:前川 實)
          
以下に掲げる各アイテムは、八王子城の謎に挑戦した私の30年間の開拓史です。どうぞ皆さんもそれに参加(クリック)してください。(現在作成中!!)
■アイテムNO.1 出版
1-1 『北条氏照の「印文未詳印」と八王子城に関わる一つの考察』(初版1987年、改版2004年)・・・
1-2 『幻の八王子城―埋れる大城郭都市』(かたくら書店、現在休刊中)
単行本: 244ページ、出版社: かたくら書店 (1988/06)、
ISBN-10: 4906237274、ISBN-13: 978-4906237272、発売日: 1988/06  
amazon URL:こちら
 
1-3 『母さんお城が燃えてるね―おはなし八王子城落城物語(児童小説)』(かたくら書店。現在休刊中)
246ページ 、出版社: かたくら書店 (1989/07)、
ISBN-10: 4906237312 、ISBN-13: 978-4906237319、発売日: 1989/07

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1-4 『八王子城 いくさの記(小説)』(かたくら書店、現在休刊中)
281ページ、出版社: かたくら書店(1991年04)、
ISBN- 9784906237364
楽天ブックス URL:こちら
1-5 『私記 北條氏照 第一巻』(自費製作。現在第二巻著述のため休刊中)
1-6 『決戦!八王子城-直江兼続の見た名城の最期と北条氏照』(揺籃社、2009.06.23)
■アイテムNO.2 寄稿論文
2-1 奇祭 「あたごさま」と八王子城烽火台 (「城山会誌」への寄稿文、1988年)
2-2 400年「八王子合戦私考」(「多摩あゆみ」への寄稿文、1990年)
2-3 八王子城-からめて残照(「半世紀文学 第六号」への寄稿、1993年)
■アイテムNO.3 講演論考
3-1 少年北條氏照の謎(講演:八王子を知る会、1996年)
3-2 若き北條氏照の生い立ち(講演:元八王子歴史研究会、1996年)
3-3 氏照誕生と北條氏の野望(講演:元八王子歴史研究会、1999年)
3-4 三田氏滅亡と氏照(講演:元八王子歴史研究会、2000年)
3-5 若き日の北條氏照(講演:元八王子歴史研究会、2001年)
3-6 北條氏と由井領(講演:元八王子歴史研究会、2002年)
3-7 御主殿とその付近の戦略的土木構築を探る(講演:元八王子歴史研究会、2003年)
3-8 北条氏照の「印文未詳印」と八王子城に関わる一つの考察(講演:元八王子歴史研究会、2004年)
3-9 八王子城防衛戦略構築図について(講演:元八王子歴史研究会/川口郷土史研究会、2005年)
3-10 八王子城合戦私考(講演:元八王子歴史研究会、2006年)
3-11 八王子城の宗教的背景(講演:元八王子歴史研究会、2007年)
3-12 「直江兼続と八王子城」(講演:元八王子市民センター、2009.06.20)
■アイテムNO.4 その他音楽等の芸術活動
4-1 子供のためのミュージカル 三つのくしの物語 二幕五場(シナリオ・作詞・作曲/前川實、1990・1992年)三回上演
4-2 「八王子城いくさ記」を参考テーマとしたミュージカル公演(八王子市民会館、1991年)
4-3 歌:『八王子城』(作詞・作曲/前川實、1987年)
■アイテムNO.5 現在進行中の著作
5-1 (仮題)「日本100名城八王子城 かの名城をもっと楽しむために・・・」
5-2 私記:北條氏照
5-3 (仮題)霧の彼方の八王子城と北條氏照の謎
5-4 (仮題)八王子城遺構・ブロック鳥瞰図
■アイテムNO.6 八王子郷土資料館閲覧
6-1 八王子郷土資料館閲覧
■日本名城八王子城最大のミステリー「印文未詳印」(25P)
■合戦を偲ぶ遺跡を歩く・・・八王子城案内人のプロになれる?(48P)

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